アルチンボルドを観に行く 2017年6月30日
7月に入って、まだまだ夏仕様に移り変わることができずにいる。
夜、寝苦しい。朝、起動するのに時間がかかる。起き抜けの血圧計測、上が100以下。
食欲は普通だが、どうも便秘気味で、膨満感が消えない。どうもいけませんね。
仕事も立て込んできて、今週は余裕のない一週間だった。

思えば先週はまだ少し余裕があって、月末に時間を見つけて、上野は西洋美術館へ。
奇想の画家・アルチンボルドを観てきたので、そのご報告。

16世紀にウィーンとプラハのハプスブルグ家の宮廷で活躍したミラノ生まれの画家、ジュゼッペ・アルチンボルド。
花々や果物、獣などを組み合わせた寓意的な寄せ絵の肖像画で有名。
1930年代にシュルレアリストによって「発見」され、モダニズムの先駆者とされた。
今回、肖像画の連作『四季』、『四大元素』が集結し、開催を楽しみに待っていた。

連作『四季』の《春》、クリアニスのような絵の具を塗り重ねた中に花々が描きこまれている。ゼリー寄せみたいな具合。
構成要素の一つ一つが生気を放ち、全体として艶やかな印象を醸している。これは印刷物では到底再現できない。
『四季』の《夏》、《秋》、《冬》、いずれもその卓越した技巧に驚く。積み上げられた緻密さ。

そして連作『四大元素』。
一番のお気に入りとなったのは、『四大元素』の《大気》。鳥類の寄せ絵なのだが、生命感の凝縮度合いがハンパない。
大木の枝葉に密集しながら飛翔せんとするムクドリの大群のようなマクロな生命感。
《火》、火という現象を描くにも筆は冴え、光芒を放っている。
《大地》、凝集する獣たち、ぬくぬくとした体温を、獣臭さを感じてしまう。ユーモラスなこと!
《水》、魚類の質感もこの上ない。生臭さが立ち上ってくるリアルさ。この絵も好きだなぁ。

まさに眼の快楽、見飽きることがない。楽しかった──!

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西洋美術館前の大看板。右が連作『四季』の《春》、左が《夏》



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展覧会場に入る前のスクリーンには、連作『四季』の《冬》



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自分の顔が寄せ絵になる記念写真コーナー“アルチンボルドメーカー”。自分のカメラで撮影します。
正面、斜め前、横。髪の毛も大盤振る舞いでご満悦。FBのプロフィール写真にしました。クリックで拡大します

by masashiw2 | 2017-07-07 23:14 | ラビリントス | Comments(0)
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